【蟹坊主】かにぼうず

山梨の長源寺、石川県の永禅寺、富山県の本叡寺などに伝わる。

夜になると背の高い雲水の姿で現れ、「両足八足、大足二足、横行自在にして、両眼天を差す、いかに」という内容の問答を仕掛けてくる。この問いに答えられなかったため、何人もの住職が首を落とされて犠牲になったという。

(※しかし、実は答えられたからといって助かるわけではない)

 

ある時、この噂を聞いた旅の僧が寺に泊まり、この問答を打ち破った。「お前の正体は蟹であろう!」と独鈷を投げつけると、化物は巨大な蟹の姿に戻って血を流しながら逃げた。翌朝、僧と村人が血痕を辿っていくと、4mほどの蟹が死んでいたという。